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 平年より2週間遅く関東甲信越でも梅雨入り宣言がなされた今週、この時期を象徴するシーズナルソングがチャート上に登場し始めたものの、雨の状況に準じて若干スロースタートの様子がうかがえる。

 毎年恒例の秦 基博「Rain」は89位に今季初登場しており、これが関連曲では最上位となる。また、複数ネット番組でのリクエストオンエアが影響し4年ぶりのチャートインとなった森高千里「雨」は95位、と100位以内はこの2曲のみだ。

 これに続くのは、大江 千里「Rain」(108位)、SEKAI NO OWARI「RAIN」(118位)、スティーブン・ビショップ「雨の日の恋」(118位)、レディー・ガガ「レイン・オン・ミー (with アリアナ・グランデ)」(144位)、原 由子「あじさいのうた」(144位)、スピッツ「あじさい通り」(160位)、ニール・セダカ「雨に微笑を」(178位)、ASKA「はじまりはいつも雨」(192位)。例年に比べて少し寂しい印象が否めない。

 関東での梅雨入りが週後半だったことも関連曲のオンエアが伸びなかった一因だが、例えば、ジーン・ケリー、B.J.トーマス、小林 麻美、Mr.Children、徳永 英明などの超定番曲がチャートインしていない状況も、少し物足りなさを感じる要因だ。各局・番組の選曲が梅雨らしくなるのはこれからなのだろう。

 意外にも(?)爽やかな曲ばかりの“雨/梅雨ソング”で、今年もジメジメした嫌な季節を乗り越えるべく、各番組の好選曲に期待したい。


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 2024年6月26日発表のラジオ・オンエア・チャート(集計期間:2024年6月17日~6月23日 プランテック調べ)では、IS:SUE「CONNECT」が1位を獲得した。

 サバイバルオーディション番組初のガールズ版『PRODUCE 101 JAPAN THE GIRLS』より登場した4人組ガールズグループが、6月19日にリリースしたデビューシングル『1st IS:SUE』からの同リード曲。5月17日の先行配信を経て同20日からラジオオンエアが開始されると、翌週5/27~6/2チャートで140位に初登場。以降、毎週右肩上がりにオンエアを伸ばしていき、前週15位からシングルリリース週を迎えた今週、首位へと上り詰めた。

 BAYFM、FM FUJI、Date fm、FM-NIIGATAなどのパワープレイ選出局による大量オンエアをベースに積み上げ、調査対象となる58.1%のステーションでのオンエア獲得だ。リクエストオンエアも今週から確認され始めており、更なる波及も期待できそうだ。

 2位はMrs.GREEN APPLE「コロンブス」が前週64位から急浮上した。6月12日の配信リリースとともにオンエアが開始された同曲は、引き続きFMでの帯番組/コーナーといった定期枠を中心にオンエアを獲得。前週から632%のオンエア増と、リリースの翌週に大きく伸長したかっこうだ。

 3位もMrs.GREEN APPLEの「Dear」が前週13位から浮上した。5月20日に配信リリースされた同曲は、リリース週の5/20~5/26チャートで11位に初登場すると翌週1位へと浮上。その後も安定多数のオンエアを維持しチャートイン5週目となった今週、オンエアは57%増と再び伸長した。主題歌に起用した映画『ディア・ファミリー』の好調ぶりや、前述の最新曲MVにおける事象を汲んでの選曲と推測されるオンエアがあったことも再伸の一因だろう。いずれにせよ、トップアーティストとしての注目度の高さがうかがえる。


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 6月16日に父の日を迎えた今週のチャートでは、父への感謝を歌った名曲が散見…とはならず、計3曲のチャートインにとどまった。ちなみに今年の母の日ウィークには少なくとも10曲の母の日ソングがチャートインした。父の日は盛り上がらないのだろうか?

 まず、めでたくチャートインした曲は、FUNKY MONKEY BABYS「ヒーロー」(54位)、忌野 清志郎「パパの歌」(84位)、エリック・クラプトン「マイ・ファーザーズ・アイズ」(144位)で、毎年この時期にチャート圏内に入ってくる定番ソングだ。

 ちなみに例年は上記にルーサー・バンドロス「ダンス・ウィズ・マイ・ファーザー」が加わるが、今年はチャートインならずだった。しかしながら今年も多数オンエアが確認されており、他にもマドンナ「パパ・ドント・プリーチ」、浜田 省吾「I am a father」、PRINCESS PRINCESS「パパ」、サザンオールスターズ「心を込めて花束を」、AI「パパへ」、奥田 民生「息子」、DREAMS COME TRUE「晴れたらいいね」、THE YELLOW MONKEY「Father」などが、複数番組におよぶオンエアが確認された。

 この他、オンエア数は少ないがシャーデー「ベイビーファーザー」、テンプテーションズ「パパ・ワズ・ア・ローリン・ストーン」、ビヨンセ「ダディ」、ホレス・シルバー「ソング・フォー・マイ・ファーザー」といった曲も複数オンエアがあり、邦楽に比べて洋楽曲が多いのも印象的だ。

 父の日ソングがチャートを賑わせないのは、定番ソング的なポジションの楽曲が少なくオンエア楽曲が分散することが一因だろう。そして、「I am a father」や「息子」は“父”自身が歌った一人称視点の曲であり、「心を込めて花束を」や「晴れたらいいね」は“両親”に向けた曲と、純粋に父に捧げる曲が少ないのも要因と思われる。決して世の父親への関心が低いわけではないのだろうが、父への感謝はキャッチーな曲に仕上がらないのか…。来年以降に向け父の日ソングを求む。


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 2024年6月19日発表のラジオ・オンエア・チャート(集計期間:2024年6月10日~6月16日 プランテック調べ)では、Apes「Mustang」が1位を獲得した。

 3人組インディー・ロックバンドが6月11日にリリースしたメジャー1st EP『WANDERS』より、リード曲となる同曲。複数局で月間パワープレイに選出されているなか、オンエア総数のおよそ半数はKiss FMでの大量オンエアによるもので、調査対象局の25.8%におけるステーションでの若干局地的なオンエア獲得となった。

 ただ、今週あらたにTOKYO FM、FM NACK5などの番組で紹介されるなど、オンエアの波及および増加が見られる点は特筆すべきだろう。上述のKiss FMでは毎週安定数のリクエストオンエアも確認されていたり、MVには少数ながらラジオで聴いて観に来た旨のコメントもあるため、楽曲自体のポテンシャルがうかがえる。今後さらにオンエア範囲を広げ、広く認知されることを期待したい。

 2位は米津 玄師「毎日」が前週ポジションをキープした。日本コカ・コーラ「ジョージア」CMソングとして書き下ろされた同曲は、5月27日の配信リリース以降続く全国的な大量オンエアを今週も死守しており、今週最も広い範囲でオンエアされた曲となった。オンエアピークは過ぎ、その数は減少傾向にあるものの依然として高い注目度を維持している。しばらくオンエアは続きそうだ。

 3位はレトロリロン「焦動」が前週10位から上昇した。東京出身4人組ポップスバンドによる6月5日リリースの同デジタルシングルは、FM NACK5、FM802での月間パワープレイに加え、今週の文化放送プラスチューンにも選出。FM802での大量オンエアを基盤としつつ、今週は54.8%のステーションでオンエアを獲得しており、前週から3割増のオンエア波及が確認されている。

 また、MVコメント欄では既存ファンと思わしきものとは別途、ラジオで知ったという新規ファンによる書き込みが週毎に増えていることから、大量オンエアによる訴求効果が確実に表れていることがうかがえる。リクエストオンエアも安定数を維持しているため、楽曲自体の魅力がリスナーに広まっているのだろう。こちらもオンエア範囲を拡大することで更なる新規ファンの開拓が見込めそうだ。


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 今週のラジオ・オンエア・チャートでは、邦洋の注目曲が並ぶなか新星アーティスト勢による興隆も目立つ結果となった。

 6位のコムドット「拝啓、俺たちへ」は、幼馴染5人組YouTuberによる5月29日リリースのデビューシングル。5位に初登場した前週(リリース週)よりオンエア数は減じたものの、パワープレイに選出しているFM-NIIGATAをはじめ、特定局・番組で依然としてまとまったオンエアを獲得しての上位キープとなった。

 一方、9位に初登場したApes「Mustang」は、3人組インディー・ロックバンドによる6月11日リリースのメジャー1st EP『WANDERS』からのリード曲。FM FUJI、Kiss FM、e-radioなど多数局で月間パワープレイに選出されており、局地的な大量オンエアながらすでに多数リクエストオンエアが確認されているなど、リスナーからの支持を獲得し始めている。さらなるオンエア波及を期待したい。

 10位にチャートインしたレトロリロン「焦動」は、東京出身の4人組ポップスバンドによる6月5日リリースのデジタルシングル。こちらもFM NACK5、FM802などでの月間パワープレイやTBSラジオ“今週の推薦曲”選出による大量オンエア獲得で、チャートデビューを飾った前週121位からリリース週を迎え急浮上した。YouTube上のMVにはラジオで聴いた旨のコメントが複数確認されており、リクエストも集め始めていることから次週以降の反応にも期待できそうだ。

 なお11位以下でも、向井太一から改名後第2弾シングルとなる5月15日リリースのニューシングルTAIL「Toxic」(79位→13位)や、“新星”と呼ぶにはすでに実績がある、2012年結成の大阪堺出身4人組バンドによる6月12日リリースの4thフルアルバムからDENIMS「Song For You & Me」(149位→16位)などが、それぞれ複数局でのパワープレイ選出による大量オンエアを基盤に上昇している。

 新星アーティスト勢が大量オンエアを獲得することでどういった訴求効果を得られるか、今後さらに波及しどのようなチャートアクションを見せるか注目だ。


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 2024年6月12日発表のラジオ・オンエア・チャート(集計期間:2024年6月3日~6月9日 プランテック調べ)では、椎名 林檎とのっち(Perfume)「初KO勝ち」が1位を獲得した。

 椎名林檎が5月29日にリリースした、“7人の歌姫”をゲストに迎えた7曲ほか全13曲収録のニューアルバム『放生会』からの同曲。発売週だった前週はアルバムより計5曲がチャートインするなか、今週も引き続き高い注目度を維持し4曲がチャートイン。その中からオンエア好調だった同曲が、発売翌週ながらさらにオンエアを集め前週9位から首位へと上り詰めた。

 前週と同じく調査対象の77.4%と広い範囲のステーションでオンエアを獲得しており、これが奏功しリクエストオンエア数が急伸している点は特筆すべきだろう。複数週にまたぎ広く大量オンエアを獲得したことで、リスナーへより広く訴求したことがうかがえる。セールスも着実に積み上げている様子だ。

 2位は米津 玄師「毎日」が前週3位から上昇した。日本コカ・コーラ「ジョージア」のCMソングとして書き下ろされた、5月27日配信リリースの同曲。リリースを迎えた前週は最も広範囲のステーションでオンエアを獲得する注目度だったが、今週も総数こそ減じているものの、1位曲と同率77.4%と依然として広くオンエアを獲得している。注目度の高さが自然とオンエアにつながったのだろう。まだしばらく大量オンエアが見込めそうだ。

 3位はヨルシカ「ルバート」が前週15位から浮上した。5月29日リリースの同デジタルシングルは、リリースから先行して23日放送のFM802『ROCK KIDS 802 -OCHIKEN Goes ON!!-』で初解禁されると、翌日からは他局・番組でもオンエアがスタート。同週110位でチャートデビューすると、リリース週を迎えた前週、そしてリリース翌週となった今週と週を追うごとにオンエアが波及し伸長していったかっこうだ。こちらも広く多数番組でオンエアが確認されていることから、注目度の高まりがオンエア数に反映されたことがうかがえる。


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 今週のチャートでは、ニューアルバムから複数の収録曲が同時チャートインする事例がいくつも確認された。

 椎名林檎が5月29日にリリースしたアルバム『放生会』からは、“7人の歌姫”をゲストに迎えた7曲中(全13曲収録)、実に計5曲がチャートイン。TOP10入りしたのっち(Perfume)との「初KO勝ち」(9位)をはじめ、新しい学校のリーダーズとの「ドラ1独走」(35位)、AIとの「生者の行進」(65位)、中嶋イッキュウ(tricot、ジェニーハイ)との「ちりぬるを」(87位)、DAOKOとの「余裕の凱旋」(197位)が特にオンエア伸長した。JFN系列の人気番組『SCHOOL OF LOCK!』へのゲスト出演時もニューアルバムが紹介され、多くのリスナーへインパクトを与えたことだろう。

 ちなみに、デビューシングルである「幸福論」も今週、多数番組がオンエアし197位に再登場しており、5年ぶりにニューアルバムをリリースした椎名林檎に必然と注目が集まったことがうかがえる。

 THE YELLOW MONKEYが同じく29日にリリースしたアルバム『Sparkle X』からは、計4曲がチャートインした。FM FUKUOKAで大量オンエアを獲得した「罠」(22位)を筆頭に、「SHINE ON」(49位)、「ソナタの暗闇」(74位)、「ホテルニュートリノ」(149位)が初登場、もしくは再登場した。こちらは多数番組へのゲスト出演が確認されており、オンエア伸長の一因となった。

 上述の2作品は今週のセールスチャートでも好成績を残している様子だ。注目に値する作品であることは言わずもがな、それに加えた細かなプロモーションが奏功してのことと推測される。

 一方で、リリースから数週間経ったものの未だに広くアルバム紹介、および収録曲のオンエアが多数みられたのが、デュア・リパとimaseだ。

 デュア・リパのアルバム『ラジカル・オプティミズム』(5月8日発売)は、リリース週と同じく今週も収録曲5曲がチャートインした。「イリュージョン」(58位→57位)、「トレーニング・シーズン」(-位→79位)、「ジーズ・ウォールズ」(73位→87位)、「フーディーニ」(-位→103位)、「エンド・オブ・アン・エラ」(-位→140位)

 そしてimaseのアルバム『凡才』(5月15日)からは、リリース週チャートでは実に7曲がチャートインしていたが、今週も前週に続いて4曲がチャートインするなど3週にわたり広くオンエアされたことになる。「Rainy Driver」(28位→33位)、「NIGHT DANCER」(45位→63位)、「BONSAI」(68位→140位)、「Happy Order?」(193位→197位)

 この2作品についても、長期的な露出効果によりリリース翌週以降も着実にセールスを積み上げているようだ。アルバム単位で楽しむ音楽ファンに対し、いかにラジオオンエアの訴求効果が高いかがうかがえる。とは過言だろうか、少なくとも影響していることは間違いなさそうだ。


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 2024年6月5日発表のラジオ・オンエア・チャート(集計期間:2024年5月27日~6月2日 プランテック調べ)では、Mrs.GREEN APPLE「Dear」が1位を獲得した。

 映画『ディア・ファミリー』主題歌となる同曲は、配信リリースと同日5月20日にオンエアが開始されると、日を追う毎に波及していき前週チャートに11位で初登場。今週月曜日よりいっきに広範囲へとオンエア波及し、2位以下と100回以上の大差を付けての圧勝となった。

 ウィークデー中心の帯番組/コーナーなど定期枠でまとまったオンエアを積み上げつつ、全国的に幅広い番組でオンエアを獲得している点はさすが。若干AM局でのオンエアに偏りがみられたものの、全調査対象の8割を超えるステーションでオンエア獲得に至った。リリース翌週ながらオンエアが伸びている点、そしてタイアップとなる映画公開が6月14日となることから、次週以降も大量オンエアが予想される。

 2位はNumber_i「BON」が初登場した。ミニアルバム『No.O-ring-』よりリード曲となる同曲は、5月27日リリース当日よりFMを中心とする帯番組/コーナーの定期枠で多数オンエアを積み上げていった結果、調査対象の58.1%のステーションでオンエアを獲得した。

 AMでのオンエア獲得は関西のABCラジオでの1回のみだが、関東エリアではFMのみでのオンエアでダントツの首位に至るなど、局地的に大量オンエアを積み上げた。大量オンエア局ではリクエストオンエアも広くみられるなど、広範囲でのオンエア獲得によりさらに広く訴求し得ることと予想されるため、今後のオンエア波及に期待したい。

 3位は米津 玄師「毎日」が初登場した。日本コカ・コーラ「ジョージア」のCMソングとして書き下ろされた同曲。5月27日の配信リリースと同時に各局いっせいにオンエアが本格的に開始されると、勢いそのままに広く波及していき、結果、調査対象の90.3%およびFMでは全てのステーションでオンエアを獲得した。

 リクエストオンエアはFM/AM問わず全国広範囲で確認されており、その数は今週ダントツの最多となったことも特筆すべきだろう。オンエア総数は上位2曲に及ばずも、今週最も広く注目された曲となった。


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 今週、あいみょん「会いに行くのに」がTOP10内では最広範囲となる83.9%のステーションでオンエアを獲得し、前週11位から再浮上し5位にチャートインした。

 ドラマ『アンメット ある脳外科医の日記』主題歌となる5月22日シングルリリースの同曲は、5月1日の先行配信に先がけ4月24日放送のJFN系列番組『SCHOOL OF LOCK!』にて初解禁。その翌日からは他番組・局へも広くオンエア波及し同週4/22~4/28チャートで19位に初登場すると、2位、3位、11位、そして5週目となる今週5位へと推移。TOP10圏内に返り咲いた。

 注目すべきはそのリクエストオンエアの数だ。前述した人気番組でのオンエア解禁翌日からこれまで、多数番組でリクエストが確認されてきたなか、シングルリリースを迎えた今週は実に前週比300%増となり、ダントツで今週最多となるリクエストオンエアを獲得している。

 また、そのリクエストオンエアを獲得した番組が、全国範囲での朝昼の情報番組から夕刻~夜のリクエスト番組、ウィークエンドのランキング番組などと幅広く、如何に広い層から支持されているかもうかがえるのだ。

 元々ラジオリスナーに厚いファン層を持っているだけに、新曲毎に多くのリクエストが集まるが、なかでも今回の楽曲は秀でた傾向にあるようだ。先行配信リリースからさらに先がけてフル解禁し、長期オンエアを獲得している点も奏功してのことだろう。「会いに行くのに」は永く愛される一曲となりそうだ。


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 2024年5月29日発表のラジオ・オンエア・チャート(集計期間:2024年5月20日~5月26日 プランテック調べ)では、King & Prince「halfmoon」が1位を獲得した。

 5月23日リリースのニューシングルより表題曲のひとつとなる同曲。20日の先行配信と同時に広い範囲でオンエアが開始され、そのまま伸長していった結果、調査対象の71%となるステーションでオンエアを獲得し初登場首位を飾った。

 帯の番組/コーナーなど定期枠でのまとまったオンエアを中心に積み上げたかっこうだが、FMの72.7%、AMの66.7%とバランス良く広範囲にわたりオンエアを獲得している点は特筆すべきだろう。AMでは今週最も多くのステーションでオンエアされた楽曲となった。効率よく広く訴求したことと推測される。

 2位はQuw「Night Walk」が前週4位から上昇した。5月1日リリースの1stアルバム『思惑』に収録された同曲は、Kiss FM、FM FUKUOKA、FM-NIIGATA、FM NACK5など多数局で月間パワープレイに選ばれており、4/29~5/5チャートで4位に初登場後、翌週には2位へ浮上。前週は順位を落とすもチャートイン4週目の今週、オンエア数こそ減じたものの大量オンエアをキープしての再浮上となった。

 一時は61.3%のステーションでオンエアを獲得するまでに波及したが、今週は25.8%と局地的な範囲でのオンエアとなった。しかしながら、前週から見られたリクエストオンエア増を今週も維持していることから、パワープレイ選出局を中心にしっかり楽曲が訴求したことがうかがえる。MVのコメント欄にラジオで知ったユーザーの多数書き込みがあるのもそれを裏付けている。次作では、より広範囲でのオンエア獲得がアーティスト認知度アップにもつながることだろう。次回のアクションにも期待したい。

 3位はビリー・アイリッシュ「ランチ」が前週62位から急浮上した。5月17日リリースのニューアルバム『ヒット・ミー・ハード・アンド・ソフト』からのシングルとなる同曲。リリースと同時にFM各局で開始されたオンエアは今週大きく伸長し、結果、9割以上のFMでオンエアを獲得するなかラジオ日本、東海ラジオといったAM局へも波及。洋楽では2位以下と大差をつけ、大量オンエア獲得に至っている。

 また、同曲のみならずアルバム自体も広く紹介されるなか、複数番組で本人のコメント出演が確認された。他収録曲のオンエアも多岐にわたり、その中から「バーズ・オブ・ア・フェザー」(33位)、「チヒロ」(59位)が同時チャートインするなど、さすがの注目度となった。


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 今週のチャート6位にはsumika「運命」が前週51位から浮上した。オンエア回数では上位の5曲に及ばなかったものの、今週最も多くのステーションでオンエア獲得に至っている。

 5月15日リリースのニューシングル『Unmei e.p』表題曲となる同曲は、TOP3曲がそれぞれ調査対象となる7~8割前後のステーションでのオンエア獲得となるなか、87.1%と広範囲でオンエアを獲得。オンエア総数のおよそ17%をFM802のプッシュオンエアが占めるものの、今週最も広く注目されたかっこうとなった。

 また、リリース週とあり多数番組でコメント出演が確認されており、ゲスト出演したJFN系列の人気番組『SCHOOL OF LOCK!』では、番組放送中に3度のオンエアを獲得。リスナーに大きく印象付けたことと思われる。

 なお、同シングルからは「いつかの化物」(122位)、「Poker Joker」(159位)も同時チャートインしており、一曲集中のオンエア獲得でないことも特筆すべきだろう。チャート順位こそ6位にとどまったものの、広い範囲での積極的なプロモーションが奏功しセールスも好調のようだ。広く訴求したことがうかがえる。


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 2024年5月22日発表のラジオ・オンエア・チャート(集計期間:2024年5月13日~5月19日 プランテック調べ)では、B'z「Get Wild」が1位を獲得した。

 TM NETWORKデビュー40周年を記念するトリビュートアルバム『TM NETWORK TRIBUTE ALBUM -40th CELEBRATION-』に収録された同曲は、5月15日のフィジカル/配信リリースに先駆けて同8日にラジオ解禁されると、日に日にオンエア波及していき前週チャートで37位に初登場。リリースを迎えた今週、週明けよりさらに広範囲でオンエアされ始め、勢いそのまま調査対象の83.9%となるステーションでオンエアを獲得し、首位へと上り詰めた。

 オンエア解禁当初より広く確認されたリクエストオンエアは今週さらに拡大しており、TOP10圏内では最多だ。多様な番組でオンエアされていることからも、広く注目されての大量オンエア獲得に至ったことがうかがえる。さすがの注目度となった。

 2位はAぇ! group「≪A≫BEGINNING」が前週25位から浮上した。STARTO ENTERTAINMENT所属の5人組による同デビューシングル曲は、5月15日のリリースから大きく先行し、4月10日放送の冠番組『Aぇ! groupのMBSヤングタウン』(MBSラジオ)で解禁されると、少しずつ波及していき翌週4/15~4/21チャートで88位に初登場。その後、オンエアは右肩上がりで伸長していき、今週で5週目のチャートインとなった。

 リリース週を受けて多くの番組へのコメント出演も確認された。これが奏功しリクエストオンエアを多数獲得するなか、特に出身地である関西エリアの局・番組で顕著だったのが印象的だ。また、AMに限定して見ると今週最も広範囲でオンエアを獲得しており、AMチャートではB'zを退け1位となったことも特筆すべきだろう。

 3位はKERENMI「世界 feat. Moto from Chilli Beans. & Who-ya Extended」が前週23位から浮上した。音楽プロデューサー・蔦谷好位置の変名プロジェクトによる、5月6日デジタルリリースの同曲。こちらもリリースに先行して4月26日放送の『ONE MORNING』(TOKYO FMほか)でオンエア解禁されると、翌週4/29~5/5チャートで118位に初登場。3週目のチャートインとなる今週、プロジェクト初のTOP3入りを果たした。

 帯放送の番組/コーナーなどを中心とする定期枠でまとまったオンエアを積み上げているなか、JFN系列の『ディア・フレンズ』、『川島明 そもそもの話』といった番組へゲスト出演しており、積極的なプロモーションが行われたかっこうだ。今週からリクエストオンエアが確認され始めるなど、さらなる波及に期待したい。


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