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 いしだあゆみさんの訃報が届いた今週、関連曲のオンエアが伸長し、代表曲である「ブルーライト・ヨコハマ」は28位にチャートインする結果となった。

 3月11日に亡くなったことが伝えられた17日よりオンエアが急増した「ブルーライト・ヨコハマ」は、結果、調査対象の80.6%と広く全国のFM/AM局でオンエアされた。

 また、チャート圏外ながら「あなたならどうする」はAMを中心に多数オンエアを獲得。その一方、いしだあゆみ&ティン・パン・アレー・ファミリー名義の「私自身」をはじめ「絵本の中で」、「真夜中のアマン」、「ダンシング」といった曲は、FMを中心に多数オンエアを獲得した。

 広く知られた「ブルーライト・ヨコハマ」のみならず、上述のFM局でのオンエア楽曲からはシンガーとしても幅広く愛されていたことがうかがえる。多数の番組が曲を選りすぐり同氏を偲んだ。


 2025年3月26日発表のラジオ・オンエア・チャート(集計期間:2025年3月17日~3月23日 プランテック調べ)では、サザンオールスターズ「夢の宇宙旅行」が1位を獲得した。

 3月19日リリースの10年振りとなるオリジナルアルバム『THANK YOU SO MUCH』に収録された同曲は、リリースに大きく先がけ2月17日にラジオオンエア解禁されると、同週2/17~2/23チャートで3位に初登場。その後もTOP10圏内を維持し続け、5週目のチャートインおよびアルバムリリースを迎えた今週、オンエアは前週比423%増となり、2位以下のあわやトリプルスコアとなる大量オンエアを獲得しての圧勝となった。

 調査対象の93.5%のステーションと今週最広範囲となるオンエア獲得、さらにリクエストオンエア数は藤井 風「真っ白」(2位→7位)に次いで最多と、注目度の高さはさすが。また、様々な番組でアルバムが特集されつつ、同作から「桜、ひらり」(45位→17位)、「神様からの贈り物」(-位→52位)、「風のタイムマシンにのって」(-位→73位)、「恋のブギウギナイト」(180位→89位)、「ジャンヌ・ダルクによろしく」(180位→94位)、「歌えニッポンの空」(-位→104位)、「Relay~杜の詩」(180位→112位)、「悲しみはブギの彼方に」(-位→112位)、「ごめんね母さん」(-位→119位)、「盆ギリ恋歌」(-位→183位)と、実に計12曲が同時チャートインするまさに“サザンWeek”となった。

 長期的かつ広範囲におけるオンエアが奏功し、セールスも絶好調の様子だ。各曲へのリクエストの数からもオンエアはしばらく続くことが予想される。

 2位はILLIT「Almond Chocolate」が前週59位から急浮上した。韓国の5人組ガールズグループが2月14日にリリースした、日本1stデジタルシングルとなる同曲。発売翌週2/17~2/23チャートでの初登場12位を経て、5週目のチャートインを迎えた今週、前週比542%のオンエア急増となった。

 調査対象の64.5%のステーションにおける、定期番組/コーナーといった帯放送枠でのオンエア獲得が基盤となるなか、3月7日公開の映画『顔だけじゃ好きになりません』主題歌に起用されていることもあり、公開週から毎週、複数番組でのコメント出演が確認されている。これが奏功してかリクエストオンエアも増加傾向にあるようだ。次週以降さらなるオンエア波及に期待したい。

 3位はHana Hope「フリーバード」が前週ポジションをキープした。多数局での月間パワープレイ選出により大量オンエアを維持している同曲。収録されたメジャー1stアルバム『Between The Stars』が今週リリースを迎えた事もあり、前週より更にオンエア数を伸ばしつつ、オンエア獲得ステーション範囲も13%増の61.3%と波及が見られた。

 なお、オンエアが広がるとともにMVのコメント欄では“ラジオを聴いた知ったファン”による書き込みが増えていることも特筆すべきだろう。その全てが“声”に惹かれた旨のコメントとなっており、耳に訴えるべくラジオオンエアの訴求効果がはっきり表れていることが分かる。オンエア獲得範囲を広げることで更なる訴求が期待できそうだ。


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 早咲きの桜とされる“河津桜”が例年より遅れ関東を中心に見ごろを迎えた今週、各局・番組では春ソングのオンエアが本格化し始めた。3週前には“春待ち”ソングの伸長に触れたが、今週はまた少し趣向の異なった曲もチャートに登場している。

 往年の曲で最上位へ上がってきたのは、松 たか子「明日、春が来たら」(73位→51位)で、新曲群なみにリクエストオンエアが多かったのが印象的だ。春はまだ先、という認識が選曲側とリスナーの両サイドに共通していたということだろう。

 続いて、スピッツ「春の歌」(118位→66位)、松任谷 由実「春よ,来い」(93位→86位)、yama「春を告げる」(196位→123位)は前々週からのオンエアを維持。これに、Mrs.GREEN APPLE「春愁」(133位)、松田 聖子「赤いスイートピー」(133位)、ヨルシカ「春泥棒」(151位)、YUI「CHE.R.RY」(162位)、キャンディーズ「微笑がえし」(162位)といった楽曲が今週から加わっている。

 また、洋楽からはザ・ビートルズ「ヒア・カムズ・ザ・サン」(112位)、マルーン5「シュガー」(112位)、タヒチ 80「ハート・ビート」(123位)といった過去の曲が再登場。明確な春ソングではないが、どれも温かな陽射しの似合う曲で自然と選曲を集めたようだ。

 そう言えば、洋楽には夏や冬に比べて春を明確に歌った名曲が少なく、逆に四季それぞれの季節ソングが多いのは邦楽ならではのものなのだろう。四季折々の文化を楽しむ日本の賜物か。これが日本における邦楽人気のルーツかもしれない。


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 2025年3月19日発表のラジオ・オンエア・チャート(集計期間:2025年3月10日~3月16日 プランテック調べ)では、レディー・ガガ「アブラカダブラ」が1位を獲得した。

 3月8日リリースのニューアルバム『メイヘム』より2月に先行配信された同曲は、解禁とともにオンエアが広がり2/3~2/9チャートで7位に初登場。その後、オンエア獲得ステーション数を着実に伸ばしながらTOP10圏内を維持し続け、6週目を迎えた今週、調査対象の80.6%となるステーションでオンエアを獲得し、前週8位から一気に首位へと上り詰めた。

 FMでは全局でオンエアを獲得している点、またリクエストオンエアがAM局でも確認された点からも、広く注目されたことがうかがえる。加えて同アルバムからは「ガーデン・オブ・エデン」(45位)、「ヴァニッシュ・イントゥ・ユー」(162位)が今週初登場。そして74位に再登場したブルーノ・マーズとの「ダイ・ウィズ・ア・スマイル」は、昨年8月のリリースから圏外だったわずか2週を除く、非連続ながら実に28週目のチャートインを迎えることとなった。

 2位は藤井 風「真っ白」が前週ポジションを維持した。本人出演のコカ・コーラ“い・ろ・は・す”テレビCM曲としてもオンエア中の同曲。2月28日の配信リリースとともに大量オンエアを獲得し続け、3週目のチャートインとなった今週、オンエア数こそ減じたものの変わらずリクエストオンエアが多い点、そして87.1%のステーションと前週に続き最広範囲でのオンエア獲得(7位のサカナクション「怪獣」と同率)に至っている点はさすがだ。今作もロングヒットの兆候がうかがえる。

 3位はHana Hope「フリーバード」が同じく前週ポジションを死守した。3月19日リリースのメジャー1stアルバム『Between The Stars』収録の同曲。今週もFM802、FM Osaka、FM FUKUOKAなど、月間パワープレイ選出局による局地的な大量オンエアに支えられての上位キープながら、前週からおよそ13%のオンエア波及が見られる点は特筆すべきだろう。

 MVコメント欄では新たに“ラジオで知ったファン”による書き込みも見られ始めている。アルバム発売週を迎える次週、さらなるオンエア波及なるか期待したい。


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 sumikaが3月5日にリリースしたアルバム『Vermillion’s』より、計8曲が今週のチャートに同時インした。

 最もオンエアを伸ばした曲は、2月14日に先行配信した「Vermillion」(27位→11位)で、配信リリースに先がけて同12日放送の『ROCK KIDS 802 -OCHIKEN Goes ON!!-』にて初オンエア。同週2/10~2/16チャートで156位に初登場すると、安定したオンエア数を獲得し続け、今週で4週目のチャートインとなる。リクエストオンエアも多数確認された。

 アルバムからはこの他、「Starting Over」(104位)、「s -エス-」(118位)、「VINCENT」(127位)、「運命」(127位)、「Phoenix」(137位)、「リビドー」(137位)、「Dang Ding Dong」(196位)がチャートイン。元々ラジオプロモーションに力を入れてきたsumikaだけに、リリースを迎えた今週は多数番組でのゲスト/コメント出演も見られた。そのかいもありセールスも好調の様子だ。


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 卒業シーズンを迎えた今週、関連曲のオンエアがいっきに加熱しTOP200圏内に歴代の名曲が顔を揃えた。

 関連曲で最上位となったのは、お馴染みのレミオロメン「3月9日」だ。早くも2月上旬あたりから今年も少しずつオンエアが見られはじめると、前週チャートでは157位に再登場。今週いっきにオンエアは伸長し、7位へとTOP10入りを果たした。オンエア獲得ステーションは96.8%と首位のあいみょんの新曲と並ぶほか、リクエストオンエア数は藤井 風の新曲を凌ぎ最多と、今週最も注目された曲となった。

 これを追いかけるのは斉藤 由貴「卒業」(80位→21位)で、こちらも前週80位の再登場からオンエアがさらに伸長。リクエストオンエアも複数確認された。

 この他、Speed「my graduation」(62位)、川嶋 あい「旅立ちの日に…」(93位)、アンジェラ・アキ「手紙~拝啓 十五の君へ~」(108位)は今週チャートで再登場。松任谷 由実「卒業写真」(139位→137位)、尾崎 豊「卒業」(123位→137位)は前週に続いてのチャートイン。他にもGReeeeN「遥か」(171位)、海援隊「贈る言葉」(196位)は今週再登場した。

 卒業式はこれからの地域も多いようで、上述した往年の名曲群は次週以降さらにオンエアが伸びることと推測される。

 また、新曲群からもリーガルリリー「サラバ青春」(93位)、犬塚ヒカリ「卒業-GRADUATION-」(137位)が初登場しているが、“卒業ソングカバー”がトレンドなのか、それぞれチャットモンチーと菊池桃子の名曲カバーとなっている点も加えておきたい。

 なお、レミオロメンの活動を休止している藤巻 亮太は、“卒業”から少し時を進めた新曲「桜の花が咲く頃」(99位→42位)でチャートイン。森山 直太朗「さくら」が今週73位に登場しており、“桜”シーズンの到来も近そうだ。


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 2025年3月12日発表のラジオ・オンエア・チャート(集計期間:2025年3月3日~3月9日 プランテック調べ)では、あいみょん「スケッチ」が1位を獲得した。

 『映画ドラえもん のび太の絵世界物語』主題歌として書き下ろされ、3月5日に両A面シングルとしてリリースされた同曲。2月14日の先行配信から更に先行し、同7日放送の自身の番組『オールナイトニッポン GOLD』にてフル解禁されると、その翌日より他局・番組でもオンエアがスタート。翌週2/10~2/16チャートで5位に初登場後、TOP10をキープし続けるなか4週目かつシングル発売週を迎えた今週、さらに前週比334%増となる大量オンエアを獲得。下位を大きく引き離しての圧勝となった。

 ラジオ解禁当初からこれまで欠かさず確認されてきたリクエストオンエアだが、今週も全国範囲の多数番組で獲得。加えて、調査対象の96.8%となるステーションと広範囲でオンエアされ、今週最も広く注目された曲となった。また、両A面シングルにして同映画挿入歌となる「君の夢を聞きながら、僕は笑えるアイデアを!」も108位に初登場している。

 2位は藤井 風「真っ白」が前週10位から浮上した。2月中旬よりコカ・コーラ『い・ろ・は・す』テレビCMソングとしてもオンエア中の同曲は、2月28日の配信リリースとともに多数局・番組で一斉にオンエアが開始され、前週チャートに初登場。2週目となった今週、前週比197%増となるオンエア波及をみせた。

 オンエア獲得のステーション範囲も広がり、今週は前週比16%増の93.5%に。また特筆すべきはリクエストオンエアの量で、新曲群では今週最も多くの数を獲得。さすがの注目度となった。リクエストの数や様々な番組で確認されたオンエア状況からみて、今作でもロングヒットが期待できそうだ。

 3位はHana Hope「フリーバード」が前週34位から急上昇した。弱冠13歳でYMO結成40周年記念トリビュートコンサートでシンガーとしての活動をスタートさせた、2006年生まれの新世代シンガーが、3月19日にリリースするメジャー1stアルバム『Between The Stars』からの同曲。FM802、FM Osaka、FM FUKUOKA、AIR-G'、FM NORTH WAVE等での月間パワープレイ、および文化放送の週間プッシュ曲に選出されていることから大量オンエアを獲得したかっこうだ。

 特に大量にオンエアしたFM802、FM Osaka、FM FUKUOKAでの合計数が全体の7割以上を占め、オンエア獲得ステーションは35.5%と少し局地的ながら、リクエストオンエアも獲得し始めている点は特筆すべきだろう。アルバムリリース週に向け、更なるオンエア波及に期待したい。


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 米グラミー賞シンガー、ロバータ・フラックさんが2月24日に亡くなったことが翌25日に報じられ、同日より関連曲のオンエアが急伸。3曲がTOP200圏内にチャートインした。

 代表曲となる「やさしく歌って(Killing Me Softly with His Song)」は、世界的なヒット曲であるほか、日本でもコーヒーのテレビCMに使われるなど広く知られた楽曲。ラジオではほぼ毎週どこかの番組がオンエアするお馴染みの曲で、少なくとも今年に入ってからオンエアの無かった週はない。

 そんな同曲、今週は訃報を受けてオンエアは3700%増、そして洋楽最多となるリクエストオンエアを獲得し、圏外から実に8位へと急浮上した。

 また他にも、「愛のためいき(Feel Like Makin' Love)」(5位)や、ダニー・ハサウェイとのデュエットアルバムからの「恋人は何処に(Where Is the Love)」(114位)がチャートイン。

 更には、「バック・トゥゲザー・アゲイン」「ユー・アー・マイ・ヘブン」「愛は面影の中に(The First Time Ever I Saw Your Face)」や、同じくダニー・ハサウェイとのデュエットアルバムから「私の気持ち」「きみの友だち」「ビー・リアル・ブラック・フォー・ミー」、そしてピーボ・ブライソンとの「愛のセレブレイション」などは、チャート圏外ながら多数オンエアを獲得。多くの番組が様々な楽曲とともに追悼した。

 同氏の優しく包み込むような歌声は、ラジオというメディアとの親和性が高く、如何に愛されてきたかが今週のオンエア状況からも分かる。「やさしく歌って」は特に深夜帯の番組で重宝される名曲だ。ロバータ・フラックさんが残した多くの歌声が、これからもラジオリスナーを癒し続けることだろう。


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 2025年2月26日発表のラジオ・オンエア・チャート(集計期間:2025年2月24日~3月2日 プランテック調べ)では、サカナクション「怪獣」が1位を獲得した。

 約3年ぶりの新曲で自身初のアニメ主題歌(『チ。 ―地球の運動について―』)となる同曲。2月20日(木)の配信リリースと同時に各局・番組で一斉に開始されたオンエアは、早々にリクエストも多数集めながら伸長していき、前週チャート5位に初登場。今週も勢いそのままFMを中心に広がりを見せ、調査対象の87.1%となるステーションでオンエアを獲得し首位へと上り詰めた。

 アニメ主題歌として既に認知されていたことも奏功してか、ラジオ解禁当初より広く全国規模で確認されたリクエストオンエアだが、今週はダントツの最多数であったことも特筆すべきだろう。今週ラジオで最も広く注目された新曲。セールスも絶好調のようだ。

 2位はluv「Send To You」が前週ポジションをキープした。関西出身/在住の新世代5人組フューチャーソウルバンドが、2月26日にリリースしたミニアルバム『Already』からの同曲。多数局にて2月度の月間パワープレイに選出されていた事から大量オンエアを維持しつつ、発売週を受けた今週、オンエア数こそ減じたもののその範囲を再び広げるに至った。

 変わらず局地的な大量オンエアを基盤としつつも、オンエア獲得は77.4%のステーションと広範囲。MVのコメント欄では“ラジオで知った”旨の書き込みが順調に増えていること、そしてリクエストオンエアが再び伸び始めている点からも、大量オンエアによる訴求に成功したと言えるだろう。次作の展開にも注目したい。

 3位は『ユイカ』「おくすり」が前週4位から上昇した。奈良出身女性シンガーソングライターが2月5日に配信リリースした同曲は、こちらも多数局で月間パワープレイに選出されていた事から今週も大量オンエアをキープ。引き続き固定番組/コーナーの帯放送枠を中心に、38.7%のステーションと局地的な範囲ながら安定したオンエア数を確保しTOP3に再浮上したかっこうだ。


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 日本列島に寒波が停滞した今週、寒さゆえに待ち望む想いが強かったのか、一部の春ソングがオンエア伸長しチャート内に幾つか顔を揃えた。

 関連曲で最も上位に入った松任谷 由実「春よ,来い」(170位→45位)は、文字通り春の訪れを願ってか多数のリクエストオンエアも確認。これにサザンオールスターズ「桜、ひらり」(24位→57位)、イルカ「なごり雪」(-位→100位)が続くが、これら3曲は調査対象のおよそ半数、もしくはそれ以上のステーションでオンエアを獲得していることから、多くの人が春の訪れを望んだことがうかがえる。

 また、少し早いがスピッツ「春の歌」(-位→152位)、yama「春を告げる」(-位→165位)、松 たか子「明日、春が来たら」(156位→165位)、嵐「サクラ咲ケ」(-位→165位)といった、本格的な春ソング曲も伸長。加えて、緑黄色社会「花になって」(142位→50位)、日食 なつこ「風、花、ノイズ、街」(114位→77位)、水田 竜子「みちのくの花」(128位→179位)といった新曲群もTOP200圏内にチャートインした。

 王道の春ソングとは一味違い、春の待ち遠しさを歌った曲も以外と多い。また、春(桜)や夏の終わりには儚い曲が多いが、特に上位3曲をはじめとする“春待ちソング”も同様のようだ。季節の変わり目は何となくナイーブになるが、楽曲もこれに倣ったものが多いのだろう。

 なお、チャート内でやけに“猫”が多いな…と思っていたら2月22日は猫の日だったようだ。DISH//「猫」(95位)、スピッツ「猫になりたい」(125位)、あいみょん「猫にジェラシー」(152位)、それからここを狙った3人組バンド、猫戦の新曲「CAT IS LOVE」(38位)も初登場している。


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 2025年2月26日発表のラジオ・オンエア・チャート(集計期間:2025年2月17日~2月23日 プランテック調べ)では、MAZZEL「J.O.K.E.R.」が1位を獲得した。

 【東急不動産ホールディングス Breaking World Match 2025】大会公式テーマソングに起用され、4月リリースのEP『Royal Straight Flush』より2月17日に先行配信された同曲。16日放送の冠番組『MAZZEL RADIO STATION』(TOKYO FM)での先行OAを経て、配信リリースとともにFM局を中心に開始されたオンエアは、一週間を通じて調査対象の74.2%、FMでは95.5%となるステーションで獲得。首位初登場するに至った。

 定期番組/コーナーなど帯放送枠でまとまったオンエアを積み上げたかっこうだが、他ビッグネームの新曲群に並ぶリクエストオンエアの多さからは、ファンダムの強さがうかがえる。更なるオンエア波及にも期待したい。

 2位はluv「Send To You」が前週1位からダウンした。関西の新世代5人組バンドが、2月26日リリースのミニアルバム『Already』より5日に先行配信した同曲は、全国多数局で月間パワープレイに選出されていることから今週も引き続き大量オンエアを獲得。前週には若干のオンエア波及が見られたものの、今週は51.6%の局でのオンエア獲得と範囲を狭めた。

 上述のとおり複数局でのパワープレイ選出が上位維持の要因ながら、大量オンエアを獲得している局では毎週、安定数のリクエストオンエアが確認されている点は特筆すべきだろう。大量オンエアによる訴求効果で新たなファン層を獲得していることがうかがえる。ミニアルバムのリリース週を迎える次週、どこまでオンエアを広げられるか注目だ。

 3位にはサザンオールスターズ「夢の宇宙旅行」が初登場した。来月リリースの10年ぶりのオリジナルアルバム『THANK YOU SO MUCH』に収録される同曲。これまでは1月下旬から起用されているユニクロTVCMや、自身のJFN系列番組『桑田佳祐のやさしい夜遊び』のみでしか聴くことが叶わなかったなか、今週17日に全面的にラジオ解禁されると各局・番組がこぞってオンエアを開始。結果96.8%のステーションと、広い範囲でのオンエア獲得となった。

 これまでも上述の番組では確認されていた同曲へのリクエストだが、ラジオ全面解禁を受け早速多くのリスナーから届いたようだ。今週最多数(サカナクション「怪獣」と並び)となるリクエストオンエアが確認され、最も広く注目された曲となった。


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 2月14日にバレンタインデーを迎えた今週、今年も例にもれず関連ソングのオンエアが急増し多数が上位入りを果たした。

 最上位となったのはPerfume「チョコレイト・ディスコ」(77位→13位)だ。2007年にリリースされた同曲だが、実はラジオチャート入りするようになったのは翌年2008年のバレンタイン週からのこと。それ以降これまで毎年チャートインを続けており、不動の最定番曲と言えるだろう。

 これに続くのは、こちらも毎年お馴染みのThe 1975「チョコレート」(94位→26位)で、洋楽が2番手となるのは何ともラジオチャートらしい。そして、広い年代に認知されているであろう国生さゆり「バレンタイン・キッス」は前週圏外から30位に再浮上。家入レオ「チョコレート」は前週185位から今週36位へ、松任谷 由実「Valentine'S RADIO」は前週185位から58位に、土岐麻子「Valentine」は圏外から62位にそれぞれ浮上した。

 ちなみに、ユーミンは前週チャートで同曲含め5曲が同時チャートイン。今週も「BLIZZARD」(185位→114位)、「春よ,来い」(59位→170位)と計3曲が顔を並べているが、改めて冬~春にかけて途切れなくシーズナリーな名曲を多数持っていることが分かる。

 もう一つ余談ながら、当日が金曜日だったこともありDREAMS COME TRUE「決戦は金曜日」(102位)が圏外から浮上。ラジオ制作陣の抱く“バレンタインのイメージ”にその世代感が表れていてユニークだ。

 なお、新曲勢の上位チャートインにも注目だ。乃紫「バレンタイン決戦」(53位→47位)は上述の曲に混じっても違和感がない80'sサウンドだが今年1月リリースの楽曲。さらには、Ado「ショコラカタブラ」(73位)、FRUITS ZIPPER「ハピチョコ」(73位)、Vaundy「そんなbitterな話」(82位)など、ここ数年のリリース曲も多数チャートインしている点は特筆すべきだろう。

 上述したPerfumeに共通するが、シーズンソングとして定番入りするにはリリース翌年のオンエアが重要で、一年後も印象に残せているか否かで決まる。他のシーズンではそれぞれ何となく往年の曲達が定着しているように思うが、意外とバレンタインの定番ソングは少ないのか、比較的新しい曲も多数オンエアを獲得する機会に恵まれているようだ。言わば狙い目にあるのかもしれない。


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