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 ヘヴィメタル界を牽引してきた英シンガー、オジー・オズボーン氏が7月22日に亡くなった今週、多くの番組が追悼オンエアを行った結果、関連曲4曲がチャートインする結果となった。

 1970年にブラック・サバスでデビューし、1980年にはソロ活動をスタートさせた同氏。そのソロデビューアルバムからの1stシングル「クレイジー・トレイン」は、訃報が伝えられた23日朝からオンエアが急伸。調査対象の58.1%、FMでは7割以上のステーションでオンエアを獲得し、最上位となる32位にチャートインした。

 更には、ブラック・サバス時代の代表曲「パラノイド」(50位)や、ソロから「ママ,アイム・カミング・ホーム」(134位)、「月に吠える」(172位)がTOP200圏内に登場した。

 多くのパーソナリティが思い思いの選曲で追悼するなか、「グッバイ・トゥ・ロマンス」、「ミスター・クロウリー」、「ミラクル・マン」、「オーディナリー・マン (feat. エルトン・ジョン)」、「アイアン・マン」(ブラック・サバス)は特に、チャート圏外ながらも多数のオンエアを集めた。

 上述した曲はメタルファンならば誰もが知る楽曲ながら、ラジオオンエアチャートに登場することはほぼほぼ皆無に等しい。アーティストの訃報により関連曲が複数チャートインすることは珍しくないが、その曲数および関連曲のオンエア状況から見て、同氏にはいわゆるメインストリームのアーティストの中でも上位に位置する影響力があったことが分かる。

 最期の最期まで伝説を遺して逝ったオジー・オズボーン氏。ヘヴィメタルというニッチな音楽ジャンルに市民権をもたらした存在であったことを、今週のラジオオンエアチャートが物語っている。

 2025年7月30日発表のラジオ・オンエア・チャート(集計期間:2025年7月21日~7月27日 プランテック調べ)では、Mrs.GREEN APPLE「Carrying Happiness」が1位を獲得した。

 東京ディズニーリゾート(R)のイベント【サマー・クールオフat Tokyo Disney Resort(R)】テーマソングに書き下ろされた同曲。7月1日の配信リリースとともに開始されたオンエアは、緩やかに伸びていき同週6/30~7/6チャートで94位に初登場。翌週は発売週を迎えたベストアルバム『10』収録曲にオンエアが集まり圏外へとダウンするなか、今週25日に同イベント名を冠したデジタルアルバムが配信リリースを迎えたことで大きく再急伸。調査対象の74.2%のステーションでオンエアを獲得し、圏外から首位へと駆け上がった。

 前々週に1位を獲得した「breakfast」(12位→36位)、前週1位の「ダーリン」(1位→153位)に続き、3週連続でチャートを制すこととなったミセス。夏ソングの定番曲「青と夏」(56位→47位)も更なる伸長が確認されており、新旧様々な楽曲で広くラジオオンエアを獲得し続けている。

 2位はTOMORROW X TOGETHER「Beautiful Strangers」が初登場した。7月21日リリースのアルバム『The Star Chapter: TOGETHER』からのリードトラックとなる同曲。発売とともにオンエアが開始されると、定期コーナー/番組の帯放送枠を中心に積み上げていき、調査対象の51.6%のステーションでのオンエア獲得に至った。

 ほぼFMでのオンエア獲得による上位入りながら、AMでのK-POP専門番組ではリクエストも確認されている。より広範囲でオンエアを獲得することで更なる楽曲波及が期待できそうだ。

 3位はカトリエル&パコ・アモロソ「ドゥンバイ」が前週5位から再浮上した。アルゼンチン出身2人組による7月16日リリースのアルバム『パポタ』より、ボーナストラックとなる同曲。FM802、FM FUKUOKA、Love FM、AIR-G'、FM NORTH WAVEなどで月間パワープレイに選出されていることから、引き続き大量オンエアを死守するなか、2週ぶりのTOP3返り咲きとなった。

 FM802、FM FUKUOKAでの猛プッシュぶりが際立つものの、当初に比べてオンエア範囲を広げている点。そして同アルバムから「エル・ディア・デル・アミーゴ」(51位→36位)もここに来てオンエアを伸ばしていることから、少しずつながらアーティストの認知度を上げている様子がうかがえる。


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 週末から全国の多くのエリアで夏休みシーズンに突入した今週、各番組での選曲にも大きく影響しチャートは一変、本格的な夏仕様と化した。

 最上位にチャートインした夏ソングは、YUI「SUMMER SONG」(45位→25位)だ。毎年チャートインする定番ソングでありつつ、複数のJFN系列番組でオンエアがあったためオンエア数を最も稼ぐ結果となった。

 続いて30位に入ったのはRIP Slyme「楽園ベイベー」で、歌詞にある通りこちらも“常夏”のラジオで良く聴かれる曲だ。同曲とともに夏の代名詞とも言える彼らだが、今週ベストアルバム『GREATEST FIVE』のリリース週を迎えており、そこから7曲が同時チャートインしている点も加筆しておこう。

 これに桑田 佳祐「波乗りジョニー」(44位)、Mrs.GREEN APPLE「青と夏」(56位)、TUBE「あー夏休み」(56位)、スピッツ「渚」(56位)、オレンジレンジ「イケナイ太陽」(63位)、山下 達郎「SPARKLE」(68位)、真心ブラザーズ「サマーヌード」(68位)…などが続く。

 一方、洋楽曲でもブライアン・アダムス「想い出のサマー」(78位)、コニー・フランシス「バケーション」(82位)、ワム!「クラブ・トロピカーナ」(126位)、ビーチ・ボーイズ「サーフィンU.S.A.」(141位)、ビッグ・マウンテン「ベイビー・アイ・ラブ・ユア・ウェイ」(157位)、クリストファー・クロス「セイリング」(178位)がチャートインしており、ほぼほぼ今季初登場となった。

 オンエアチャートTOP200圏内のおよそ5分の1が定番夏ソング(新譜を入れたらもっと)だった今週のラジオ。学生リスナーの夏休み気分を存分に盛り上げ、そして社会人リスナーにとっては、しばし先の夏休みを一足早く疑似体験させてくれたことだろう。今年も長そうな夏、多くの名曲達がしばらくラジオを賑わしそうだ。


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 2025年7月23日発表のラジオ・オンエア・チャート(集計期間:2025年7月14日~7月20日 プランテック調べ)では、Mrs.GREEN APPLE「ダーリン」が1位を獲得した。

 前週にリリースされたベストアルバム『10』収録の同曲は、1月20日の配信シングルリリースに伴い1/20~1/26チャートで14位に初登場すると、その翌週に1位へと浮上。10週連続でチャートインしたのち圏外となるも、アルバムリリース週だった前週80位の再登場を経て1320%のオンエア急増となった今週、24週ぶりに首位へと返り咲いた。

 配信リリース直後から多数リクエストが確認されてきたことも、同曲の人気ぶりの証=長期チャートインの大きな要因。そして前週1位を獲得した「breakfast」(12位)に続き、ラジオでのアルバムプロモーション曲として同曲が選ばれた理由でもあるのだろう。今週は帯放送の番組/コーナーといった定期枠を中心に、調査対象77.4%のステーションでのオンエア獲得となった。

 2位はアレックス・ウォーレン「オーディナリー」が前週7位から上昇した。米ビルボード・ソング・チャートで通算7週目の首位獲得中となる同曲。2月7日の配信リリースと同時にJFL系列局を中心に開始されたオンエアは、徐々に伸長していき4/28~5/4チャートで199位に初登場。一週おいてその翌々週に92位に再登場すると、今週で9週連続チャートインを果たしたかっこうだ。

 7月に入ってからはFM Osaka、e-radio、AIR-G'、Date fm、FM-NIIGATAで月間パワープレイに選出されていることから一気にオンエアを伸長させているなか、今週は調査対象の74.2%のステーションと広範囲でオンエアを獲得している点は特筆すべきだろう。そのかいもありリクエストオンエアが確認され始めている。9月のアルバムリリースまでどう波及していくか注目だ。

 3位は椎名 林檎「実験中」が前週80位から急浮上した。SHISEIDO“アルティミューン”キャンペーンソングとして書き下ろされた同曲。7月9日の配信リリースとともに開始されたオンエアは、日を追う毎に波及していき前週チャートで初登場。2週目を迎えた今週は調査対象71%のステーションでのオンエア獲得となった。

 帯放送枠を主体としつつも広い範囲でのオンエア獲得が奏功し、リクエストオンエア数も大きく伸ばし始めている。8月6日リリースとなる両A面シングルのもう一方の曲「白日のもと」も近くオンエアが始まるだろう。同時チャートイン中の夏ソング「長く短い祭」(141位)とあわせて、今夏は椎名 林檎の歌声が広く聴けそうだ。


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 7月7日に七夕の日を迎えた今週のチャートでは、例年に比べ“七夕ソング”の勢いが落ち着く結果となった。

 毎年この日は梅雨時期にあたるため天気が望めないものの、今年は西日本で早くも梅雨明けしていた他、関東エリアでも雨空は免れた。そんな中、この日のためにあると言っても過言ではないDREAMS COME TRUE「7月7日、晴れ」は、当日一日のオンエアカウントだけで今年、関連曲では最上位となる51位にチャートインした。

 また、シンプリー・レッド「スターズ」(80位)、aiko「花火」(96位)とお馴染みの曲に加え、7日当日のオンエアやリクエスト状況から見て星野 源「Star」(60位)、SixTONES「Stargaze」(88位)といった新曲勢も七夕を踏まえたオンエア再伸だったようだ。

 しかしながらその一方で、BUMP OF CHICKEN「天体観測」、福耳「星のかけらを探しに行こう Again」、大塚 愛「プラネタリウム」など、多くの恒例曲が圏外に留まったかっこうだ。

 チャートはもちろん集計期間によっても左右されるのだが、前週のオンエア状況を加味しても今年は七夕ソングが振るわなかった。既に猛暑が続いているため、多数の夏ソングが勢力を伸ばしチャートを占めているのも大きな要因だろう。何となく儚く涼しげな七夕ソングよりも、夏ソングを選曲する場面が多かったものと推測される。

 同じく今年勢いがなかった梅雨ソングに加え七夕ソングもか…。地球温暖化の影響による異常気象が原因で、四季折々の音楽が衰退していくことは避けたいものだ。


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 2025年7月16日発表のラジオ・オンエア・チャート(集計期間:2025年7月7日~7月13日 プランテック調べ)では、Mrs.GREEN APPLE「breakfast」が1位を獲得した。

 TV情報番組『サン!シャイン』テーマソングとして書き下ろされ、7月8日リリースのベストアルバム『10』に収録された同曲。6月4日の配信リリースと同時に広くオンエアが開始され、6/2~6/8チャートで14位に初登場するとその翌々週に1位へと浮上。その後も上位をキープするなか、チャートイン6週目かつアルバム発売週を迎えた今週、再びオンエアが502%増となり3週ぶりに首位へと返り咲いた。

 オンエア開始以来、週毎に増え続けてきたリクエストオンエアの数は今週最多。また、帯放送枠を主体としつつも調査対象87.1%のステーションと最広範囲でのオンエア獲得であり、文句なしに今週最も注目された曲と言える。さらには、同ベスト盤から10曲が同時チャートインしており、夏ソングの「青と夏」(45位)を含めると実に計11曲がTOP200入り。文字通りの“ミセスウィーク”となった。

 2位はONE OR EIGHT「365」が前週1位からダウンした。米国大手レーベルからの第1弾シングルとあり、BAYFM、FM NACK5、FM FUJI、FM Osaka、α-STATION、e-radioほか多数局が月間パワープレイに選出する注目度で、今週も引き続き大量オンエアをキープしたかっこうだ。

 オンエア獲得範囲は調査対象の51.6%と、上述のステーションでのパワープレイオンエア枠を中心とする局地的なもの。今後さらなる他局・他番組へのオンエア波及に期待したい。

 3位はLE SSERAFIM「Kawaii」が前週32位から浮上した。6月24日リリースの日本4thシングル『DIFFERENT』に収録された、星野源プロデュースによる同曲。リリース週6/23~6/29チャートでの57位初登場を経て、3週目にしてTOP3入りを果たした。

 帯放送の定期枠を主体としつつも、調査対象の71%となる広範囲ステーションでのオンエア獲得と、初登場時から週を追うごとにオンエア範囲を広げている。7月24日から配信開始のNetflixシリーズ『My Melody & Kuromi』主題歌に起用されていることから、今後さらにリクエストも伴うオンエア増に期待できそうだ。


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 今週のオンエアチャートでは久々、3位のカトリエル&パコ・アモロソを筆頭に洋楽勢が上位で躍進する結果となった。

 洋楽がTOP3入りしたのは5/5~5/11チャート以来だ。その前回も「プライスレス feat. LISA」で3位となったマルーン5が、今週は新曲「オール・ナイト」で5位にチャートイン。調査対象の77.4%、FMでは95.5%のステーションで広くオンエアを獲得している点はさすがだ。8月に控えるアルバムリリースに向け更に勢いを増していくことだろう。

 続いて前週98位から7位へ急浮上したのはアレックス・ウォーレン「オーディナリー」。2月の配信リリースから毎週少しずつオンエアを伸ばしていき4/28~5/4チャートで199位に初登場。その翌々週に92位に再浮上すると、アップダウンを繰り返しつつ今週で8週連続のチャートインだ。FM Osaka、e-radio、AIR-G'、Date fm、FM-NIIGATAでパワープレイに選出されている。

 こちらも前週163位から8位へと急伸したのはノラ・ジョーンズ、ジョン・レジェンド「サマータイム・ブルー」だ。2人のレジェンドによる初コラボ曲は、6月27日のリリースと同時にオンエアが開始されると、今週いっきに広がりをみせFMでは9割以上のステーションでのオンエア獲得だ。昨今、ロングヒットする良質なコラボバラードが続くがこちらもその仲間入りしそう。

 エド・シーラン「ドライヴ」(5位→9位)は、映画『F1/エフワン』サウンドトラックに提供したハードロックな楽曲で今週3週目のチャートイン。マルーン5やノラ・ジョーンズ共々、こちらもパワープレイ選出なしでの大量オンエアはさすが。別途、9月リリースのニューアルバムから「サファイア」(49位→47位)も同時チャートイン中で、今後も新曲リリースで盛り上がりをみせそうだ。


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 2025年7月9日発表のラジオ・オンエア・チャート(集計期間:2025年6月30日~7月6日 プランテック調べ)では、ONE OR EIGHT「365」が1位を獲得した。

 8人組ボーイズグループによる米国大手レーベル“Atlantic Music Group”からの第1弾シングルとなる同曲は、6月18日の配信リリースとともにオンエアが開始されると同週6/16~6/22チャートで125位に初登場。オンエアはその後順調に伸長していき翌週29位へと浮上すると、3週目を向かえた今週いっきに333%増となり首位へと上り詰めた。

 BAYFM、FM NACK5、FM FUJI、FM Osaka、α-STATION、e-radio、cross fm、Love FM、AIR-G'、Date fm、東海ラジオなど、多数局で7月度の月間パワープレイに選出されていることがオンエア急伸の要因だ。帯放送の定期枠を基盤としつつ、FM/AM問わず調査対象の67.7%となるステーションでのオンエア獲得だが、今月1か月続く大量オンエアをトリガーにどこまで波及させ、より一般層へとアピールし得るか注目したい。

 2位はREIKO「LOVE DEEPER」が前週53位から急浮上した。BMSG所属シンガーが4月からスタートさせた“R&B三部作”のラストとなる同曲。6月23日の配信リリースを経て、その翌日からオンエアが開始されると前週チャートに初登場。今週大きく397%のオンエア増をみせた。

 こちらも帯放送の番組/コーナーを主体に調査対象の58.1%となるステーションと、少々狭範囲でのオンエア獲得だが、ここまでも積極的に行ってきたラジオプロモーションが奏功してか、前週から引き続きリクエストオンエアを獲得している点は特筆すべきだろう。(時期的に偶然にも)今週171位に同時チャートインしている久保田利伸「流星のサドル」をサンプリングしていることもあり、広範囲でのオンエア獲得により更なる認知度アップが見込めそうだ。

 3位はカトリエル&パコ・アモロソ「ドゥンバイ」が初登場した。グローバルシーンで話題のアルゼンチン出身デュオによる同曲は、7月16日CDリリースのアルバム『パポタ』にボーナストラックとして収録される2024年発表曲。3月のアルバム配信リリース時から断続的に洋楽指向の番組を中心にオンエアが確認されてきたが、今週112位に同時チャートイン中の「エル・ディア・デル・アミーゴ」含め、5月後半からオンエアが伸長し始めていたかっこうだ。

 彼らの代表曲である「ドゥンバイ」がTOP3入りした要因は、FM802、FM FUKUOKA、Love FM、AIR-G'、FM NORTH WAVEでの月間パワープレイ選出によるもの。特にFM802とFM FUKUOKAは、2局の合計オンエア数が総数のおよそ6割を占める程の猛プッシュぶりだ。親しみやすいメロであり、夏を代表する洋楽曲にもなり得るポテンシャルを秘めているため、現状32.3%のステーションでの局地的な大量オンエアをどこまで波及させられるか期待したい。


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 先週は“雨ソングが後退し一気に夏ソングが興隆”した旨を解説したものの、今週のチャートは何ともスッキリはっきりしない模様を呈した。

 今季ようやく初登場したB.J.トーマス「雨にぬれても」(-位→190位)ほか、森高 千里「雨」(-位→112位)、今井 美樹「雨にキッスの花束を」(-位→163位)といった雨ソングが今週再びチャートイン。

 かと思えば、夏ソングであるYUI「SUMMER SONG」(161位→95位)、Mrs.GREEN APPLE「青と夏」(104位→98位)、大黒 摩季「夏が来る」(88位→163位)、緑黄色社会「夏を生きる」(-位→163位)、RIP Slyme「楽園ベイベー」(-位→190位)、TUBE「夏を待ちきれなくて」(-位→190位)、オレンジレンジ「イケナイ太陽」(-位→190位)もチャートインするが、前週の勢いはいったん落ち着きをみせている。

 ちなみにこれらのシーズンソングがチャートインしたのは、西日本エリアでのオンエアがかなりの割合を占めている状況で、関西ではこの他、「雨とカプチーノ」ヨルシカ、「6月の雨」谷村 有美がエリア別チャート圏内に入っている。梅雨ながら夏日が続く関東に比べ、梅雨明けも発表された今週の西日本の方が比較的シーズンソングをオンエアしやすかったのだろう。

 このまま関東でも梅雨明けに向かうのだろうか。「はじまりはいつも雨」「雨音はショパンの調べ」「雨に唄えば」「雨のち晴れ」「雨をみたかい」など、雨ソングの名曲は洋邦数々あるが、そう言えばここ数年、残念ながらこの時期に耳にする機会が減っているような気がする。気候変動が音楽にとっても負に影響するのであれば、地球温暖化対策は継続すべきものと訴えたいものだ。


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 2025年7月2日発表のラジオ・オンエア・チャート(集計期間:2025年6月23日~6月29日 プランテック調べ)では、INI「DOMINANCE」が1位を獲得した。

 6月25日リリースの3rdアルバム『THE ORIGIN』からリード曲となる同曲。同2日の先行配信を経て4日よりオンエアが確認され始めると、その翌週、多数のゲスト/コメント出演も見られ6/9~6/15チャートで58位に初登場。その後、順調にオンエアを伸ばしていきアルバム発売週となった今週、いっきに685%増で首位へと上り詰めた。

 オンエア状況を見ると、帯放送の番組/コーナーなど固定枠でまとまった数を積み上げながら調査対象の64.5%となるステーションでの獲得と、若干狭範囲でのオンエアだ。しかしながら、今週はJFN系列の番組『ディア・フレンズ』ほか印象的なゲスト/コメント出演も奏功しリクエストオンエアが伸長している点もポイントだ。オンエア範囲を広げ、更なる波及に期待したい。

 2位は椎名 林檎「芒に月」が初登場した。NHK土曜ドラマ『ひとりでしにたい』主題歌に起用され、6月25日にCDシングルとしてリリースされた同曲。22日の先行配信以前より少数ながら確認されたオンエアは、今週頭から本格化し調査対象の83.9%、FMでは全てのステーションでのオンエア獲得に至った。

 帯放送の定期オンエア枠での獲得を基盤としつつも、通常オンエア/リクエストオンエアともに全国範囲の様々な番組で確認されている点から、さすがの注目度であることがうかがえる。セールスも順調の様子。オンエア数わずか2回の僅差で1位を譲ったかっこうだ。

 3位は藤井 風「Hachiko」が前週2位からダウンした。9月リリースの全曲英語詞アルバム『Prema』からリード曲となる同曲。6月13日の配信リリースから大量オンエアを維持し、3週目のチャートインとなった今週、オンエア数は減じたものの調査対象の87.1%かつFMでは全局と、今週も最も広い範囲でのオンエア獲得となった。

 依然として圧倒的な数のリクエストオンエア(10位のMrs.GREEN APPLE「breakfast」と同率)も特筆すべきで、今週も注目度の高さをキープしている。前週も触れたとおりロングヒットは必至だろう。ニューアルバムからの新たな新曲解禁も楽しみだ。


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 前々週に発表された全国的な梅雨入り宣言から一転、梅雨前線は姿を消し連日の猛暑日が日本列島を襲った今週、伸長過程だった雨ソングのオンエアはいっきに後退し、オンエアチャートも夏の配置図と化した。

 梅雨入りを受け前週チャートでは、原 由子「あじさいのうた」(93位→53位)、秦 基博「Rain」(64位)、レディー・ガガ「レイン・オン・ミー (with アリアナ・グランデ)」(86位)、今井 美樹「雨にキッスの花束を」(86位)、ASKA「はじまりはいつも雨」(111位)、King Gnu「傘」(135位)、DREAMS COME TRUE「晴れたらいいね」(178位)といった雨ソングが顔を揃えて更なる活躍を待っていた。

 ところが、今週に入ってから上述の楽曲はいっせいに撤退。唯一「あじさいのうた」(88位)だけがチャート圏内に留まった状況だ。

 その代わりに今週のチャートでは、ゆず「夏色」(-位→59位)、桑田 佳祐「波乗りジョニー」(-位→88位)、大黒 摩季「夏が来る」(-位→88位)、moumoon「Sunshine Girl」(-位→137位)、あいみょん「マリーゴールド」(197位→137位)、星野 源「SUN」(-位→137位)、RIP Slyme「熱帯夜」(-位→161位)、YUI「SUMMER SONG」(100位→161位)、山下 達郎「踊ろよフィッシュ」(-位→161位)、Bonnie Pink「A Perfect Sky」(-位→184位)、カトリーナ&ザ・ウェイブス「ウォーキング・オン・サンシャイン」(-位→184位)、スチャダラパー「サマー・ジャム '95」(-位→184位)が登場。

 ご覧の通り、夏ソングもしくは太陽の光が降り注ぐかの楽曲が挙って圏内に浮上し、雨ソングのポジションを奪取したかっこうだ。チャートも天候と同様、一足早く夏の訪れとなった。

 米不足が若干の解消傾向にあるなか、水や野菜不足の襲来は避けたいところ。量と期間が適度な雨を、そして気持ちに余裕をもって雨ソングを楽しめる時間を、望みたいものだ。


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 2025年6月25日発表のラジオ・オンエア・チャート(集計期間:2025年6月16日~6月22日 プランテック調べ)では、Mrs.GREEN APPLE「breakfast」が1位を獲得した。

 テレビ情報番組『サン!シャイン』テーマソングとして書き下ろされ、6月4日に配信リリースされた同曲。リリースと同時に解禁されると、FM/AM問わず様々な番組でオンエアを獲得していき前々週6/2~6/8チャートにて14位に初登場。その後も順調にオンエアを伸ばし前週8位へと浮上しつつ、3週目を迎えた今週、大きく318%のオンエア増となり首位へと上り詰めた。

 帯放送の番組/コーナーなど定期オンエア枠を主体としつつ、調査対象の83.9%となるステーションでのオンエア獲得だ。リクエストオンエアも多数確認されており、大森元貴のソロ「絵画」(48位→59位)や「ライラック」(70位→104位)、「青と夏」(-位→104位)といった既存ヒット曲に混じりながら、3週かけて波及していったかっこうだろう。Mrs.GREEN APPLEの勢いが反映されたチャートアクションだ。

 2位は藤井 風「Hachiko」が前週15位から上昇した。9月にリリースされる予定のアルバム『Prema』よりリードトラックとなる同曲。6月13日の配信リリースとともにFMを中心にオンエアが開始されると、前週チャートに初登場。今週に入りさらにオンエアは加熱していき前週比252%増となった。

 調査対象の96.8%となるステーションでのオンエア獲得は今週最高値。また、圧倒的最多となるリクエストオンエアが確認されていることからも、今週最も広範囲に注目された曲と言えるだろう。これらオンエア状況からは既にロングヒットの兆しが見られ、アルバムリリースまで高い注目度を維持することが予想される。

 3位はマカロニえんぴつ「静かな海」が初登場した。横浜スタジアム公演でのサプライズ発表&初披露を受けて、翌6月15日に配信リリースされた同曲。配信当日から開始されたオンエアは今週に入ってから本格化し、調査対象の87.1%のステーションと広い範囲での獲得に至った。堂々のTOP3発進だ。

 帯放送の定期枠に留まらず、様々な番組でオンエアを獲得しており、その分リクエストも広い範囲で確認されている。次週以降、若干控えめな関東エリアへのオンエア波及にも期待したい。


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