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 毎年この時期は新譜のリリースが少なくなりプロモーションオンエアが減るため、各番組の選曲が多種多様になる。番組側が純粋に“かけたい曲”を選びやすくなると同時に、リスナーからのリクエストがいつもより反映されたことが、今週のチャートTOP200圏内におけるリクエストオンエアの合計数からうかがえる。

 そこでリクエストオンエア数の多い曲を調査してみた。ネット番組での重複オンエアを考慮しつつ、最も多かった10曲は下記の通りだ。


マライア・キャリー「恋人たちのクリスマス」(17位→9位:74.2%)

レミオロメン「粉雪」(124位→22位:74.2%)

ワム!「ラスト・クリスマス」(41位→20位:77.4%)

松任谷 由実「恋人がサンタクロース」(-位→46位:67.7%)

back number「クリスマスソング」(38位→28位:67.7%)

BUMP OF CHICKEN「I」(62位→12位:51.6%)

B'z「ultra soul」(-位→142位:31.8%)

B'z「いつかのメリークリスマス」(178位→142位:29.0%)

サカナクション「怪獣」(-位→32位:54.8%)

山下 達郎「クリスマス・イブ」(75位→12位:74.2%)

※(前週順位→今週順位:オンエア獲得ステーション率)


 毎年のことながらマライア・キャリー「恋人たちのクリスマス」が早くもTOP10圏内へ浮上。リクエストオンエアが最も多いのは、この時期リスナーも一番欲している曲である証だ。その他クリスマスソングは計6曲を占め、ぞれぞれオンエア獲得範囲も広い。

 そんな中、BUMP OF CHICKEN「I」(62位→12位:51.6%)とサカナクション「怪獣」(-位→32位:54.8%)が含まれている点に注目だ。

 BUMP OF CHICKEN「I」は、10月15日の配信リリース時より9週連続チャートインしつつ、リクエストオンエアもここまで常に多い。エンディングテーマを務めたTVアニメ『僕のヒーローアカデミア FINAL SEASON』が12月13日に放送終了したことも再びリクエストが増えた一因かもしれないが、いずれにせよ、アニメの放送期間にあわせ長く愛されている曲であることがうかがえる。

 そしてサカナクション「怪獣」は、2月20日リリースと10か月も前の曲だ。年末も差し迫り自由度の高い選曲が行われたなか、“今年を代表する一曲”としてリスナーにも強く印象に残った曲であったことが推測される。この先のオンエア伸長も見込めそうだ。


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 2025年12月17日発表のラジオ・オンエア・チャート(集計期間:2025年12月8日~12月14日 プランテック調べ)では、BE:FIRST「街灯」が1位を獲得した。

 自身出演のファミリーマートCM クリスマスタイアップソングとしてもTV放映中の同曲は、12月8日の配信リリースとともに関東エリア局を中心にオンエアが開始されると、その後、少しずつ他エリアへも波及。一週間を通じて調査対象の77.4%となるステーションでオンエアを獲得し、初登場首位を飾った。

 帯放送のコーナー/番組など決まった枠で大量数を積み上げつつ、全体の8割以上を関東エリアでのオンエアが占めるなど若干偏りがあるが、「I Want You Back」(53位→53位)が依然としてオンエアが多く、そして今年を代表する曲の一つである「夢中」(-位→142位)が再伸し、オンエアが割れたことがその一因だろう。リクエストオンエアは地方エリアでも確認されており、広く認知されていることがうかがえる。

 2位は十明「楓」が初登場した。スピッツの同名曲を原案にした映画『楓』から劇中歌となる同カバー曲。12月9日の先行配信より更に先がけ、8日に解禁されたオンエアはFM局を中心に広がっていき、一週間を通じて調査対象の38.7%となるステーションでのオンエア獲得に至った。

 現状では帯放送のコーナー/番組など限定的な範囲でのオンエア獲得ながら、17日の同サウンドトラックのリリースや19日の映画公開に向け、主題歌のスピッツ「楓」(18位→46位)と共に更にオンエアは伸びていくことが推測される。声に特徴のあるシンガーソングライターだけにラジオとの親和性も高く、今後の波及に期待したい。

 3位はAki「これも愛としよう」が前週7位から上昇した。SNSで注目の新星シンガーソングライターが12月3日にデジタルシングルとしてリリースした同曲。先行して11月27日放送の番組『GRAND MARQUEE』(J-WAVE)でのゲスト出演/オンエアを経て、12月に入ってからはFM Osaka、Kiss FM、e-radio、東海ラジオで月間パワープレイに選出されたことで大量オンエアを獲得。前週チャートで初登場していた。

 ほぼほぼ上述のパワープレイ選出局でのオンエアによるTOP3入りと、挟範囲での大量オンエアながら、YouTubeのMVコメント欄にはラジオで知った旨のコメントとそこへのイイネ数が増加中だ。こちらも特徴的なその声をラジオリスナーが察知しているのだろう。オンエア範囲を広げることで更なる訴求効果が見込めそうだ。


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 師走に入り寒さがめっきり厳しくなった今週のチャートでは、ウィンターソングの名曲たちが挙ってオンエアを急伸させTOP200圏内に顔を揃えた。

 今年は来日タイミングだった10/27~11/2チャートでいったん41位に登場していたが、毎年いち早くオンエアを伸ばすマライア・キャリー「恋人たちのクリスマス」が、11月最終週だった前週48位から今週17位へと早くも上位に浮上した。

 前週からリクエストも増え、調査対象局の74.2%と広い範囲でオンエアを獲得するなど、同曲は多くの人にとってシーズン突入の合図になるのだろう。煌びやかなサウンドには、何度聞いても幾つになっても胸が踊らされる…。そう思うのはご自身だけになさそうだ。

 続いて前週29位から今週20位へと浮上したのは槇原敬之「冬がはじまるよ」だ。こちらは急な寒さに見舞われた11/3~11/9チャートで例年より早く31位に再浮上して以降、気温に応じてか順位もアップダウンを繰り返しつつ、今週までTOP200圏内をキープしてきた。今週再び気温が下がり、季節が進んだことでオンエアが伸長したと推測される。

 また、アース・ウィンド&ファイアーによる名曲「セプテンバー」を基にした「ディセンバー」が62位に浮上。こちらもこの時期、2014年リリース時から断続的にTOP200圏内に浮上しており、2018年以降は毎年チャートインを果たしている。


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 2025年12月10日発表のラジオ・オンエア・チャート(集計期間:2025年12月1日~12月7日 プランテック調べ)では、Official髭男dism「Sanitizer」が1位を獲得した。

 約7年ぶりのノンタイアップとして12月1日に配信リリースされた同曲は、前日11月30日放送のJFN系列番組『SOUL & ROOTS』にて本人コメントと共にラジオ先行解禁。リリース当日には広く全国範囲でいっせいにオンエアが開始されると、今週、調査対象の80.6%となるステーションでオンエアを獲得し初登場首位を飾った。

 帯放送の定期オンエア枠でまとまった数を積み上げつつも、様々な番組でオンエアを獲得している点、そしてリクエストオンエアは今週最も多くの数が確認されるなど、さすがの注目度となった。

 2位はNumber_i「LAVALAVA」が初登場した。12月1日に配信限定リリースされた同曲は、リリースと同時にFMを中心にオンエアが開始されると、一週間を通じ調査対象の54.8%となるステーションでのオンエア獲得に至った。

 帯放送の番組/コーナーを主体とする挟範囲の局・時間帯での大量オンエア獲得ながら、リクエストオンエアは全国範囲で確認されており、ファンダムの力もオンエアに影響したことがうかがえる。

 3位は&TEAM「Back to Life」が再登場した。日本発グローバルグループが10月にリリースした韓国1stミニアルバム『Back to Life』より、タイトル曲となる同曲。アルバムリリースの翌週11/3~11/9チャートで187位に初登場し、その後も安定数のオンエアはあったもののTOP200圏外で過ごすなか、同日本語バージョンが11月28日にリリースされた事でオンエアが急伸したかっこうだ。

 帯放送の番組/コーナーでそれぞれ大量積み上げたオンエアは、週を通じて調査対象局の48.4%での獲得となる。より広範囲でのオンエアによりリクエスト獲得にも期待したい。


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 ジャマイカ出身のレゲエ界のレジェンド、ジミー・クリフさんが亡くなったことを受け多くの番組が追悼。今週のチャートTOP200圏内に関連曲3曲が浮上した。

 代表曲であり毎年夏季に必ずオンエアが伸びる「アイ・キャン・シー・クリアリー・ナウ」は、日本で訃報が伝えられた11月25日の早朝よりオンエアが急伸し、一週間を通じて調査対象の77.4%となるステーションでオンエアを獲得。リクエストも多く、関連曲で最高位となる14位に、洋楽部門では4位にまで駆け上がった。

 加えて、「遥かなる河」が55位に、「ハーダー・ゼイ・カム」が61位にそれぞれ浮上した。

 この他、各番組が思い思いの選曲で哀悼を捧げるなか、わずか1回のオンエア足らずで惜しくもチャートインに至らなかった「ユー・キャン・ゲット・イット・イフ・ユー・リアリー・ウォント・イット」や、「ワンダフル・ワールド,ビューティフル・ピープル」にも多くのオンエアが集まった。


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 2025年12月3日発表のラジオ・オンエア・チャート(集計期間:2025年11月24日~11月30日 プランテック調べ)では、MAZZEL「Only You」が1位を獲得した。

 BMSG所属ダンス&ボーカルグループが11月26日にCDリリースした、4thシングル表題曲の同曲。同3日の先行配信とともに解禁されたオンエアは徐々に波及していき、11/3~11/9チャートで86位に初登場。翌週、オンエアは倍増し34位へと浮上した。その後、前週には圏外へとダウンしたものの、リリースを迎えた今週、大きく急伸し首位へといっきに駆け上がった。

 帯放送の番組/コーナーなど定期オンエア枠でまとまった数を積み上げつつ、調査対象の80.6%となるステーションと広い範囲でのオンエア獲得だ。リクエストオンエアも解禁早々から毎週、全国規模で安定数が確認されていることから、根強いファンダムの存在のみならず、知名度を更に上げてきたことが窺える。毎作のラジオプロモーションがしっかり結実しているようだ。

 2位はマカロニえんぴつ「パープルスカイ」が前週160位から急浮上した。ドラマ『コーチ』主題歌に書き下ろされた同曲は、21日の配信リリースと同時にオンエアが開始されると前週チャートに初登場。チャートイン2週目となった今週、オンエアは前週比1500%増と大きく急伸したかっこうだ。

 オンエア獲得範囲は調査対象局の71%ながら、特にFMでは幅広く様々な番組でオンエアを獲得している点は特筆すべきだろう。これが奏功してか、リクエストオンエアも多く上位10曲中では最多数となった。12月10日にはアルバムリリースを控えており、更なるオンエア伸長が予想される。

 3位はGen Kakon「Boy, Don't Cry」が前週5位から再浮上した。多数局で月間パワープレイに選出されていることから今週も大量オンエアを維持している同曲。相変わらずYouTubeのMVコメント欄ではラジオで知り訪れたユーザーによる書き込みが増え続けているが、今週もオンエア獲得範囲は38.7%と少々限定的。これからのシーズンに合いつつ楽曲自体にも訴求力があるだけに、12月以降もオンエア波及に期待したい。

 同率3位は松任谷 由実「天までとどけ」が前週ポジションをキープした。ドラマ『小さい頃は、神様がいて』主題歌で、11月18日リリースのアルバム『Wormhole / Yumi AraI』にも収録された同曲。前週に引き続き限定された番組/コーナーを中心としつつ、一方では調査対象局の71%と広範囲でのオンエア獲得だ。アルバムからは今週も4曲と複数の同時チャートインが確認されている。


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 注目作のリリースが重なった今週のラジオオンエアチャートでは、同じアルバムから多数の収録曲が同時チャートインを果たす結果となった。

 今週3位の「天までとどけ」も収録された松任谷 由実のアルバム『Wormhole / Yumi AraI』からは、実に計11曲がチャートイン。「LET'S GET IT STARTED!」(27位)、「星の物語」(41位)、「DARK MOON」(52位)、「CINNAMON」(59位)、「烏揚羽」(59位)、「岩礁のきらめき」(59位)、imase×松任谷 由実「文通」(75位)、「小鳥曜日」(133位)、「ひとちがい」(145位)、「そして誰もいなくなった」(179位)がTOP200圏内へと浮上した。

 同アルバムからリード曲と位置づけられたのは、前週118位からの浮上となった「DARK MOON」だが、他曲のオンエアが伸びたのは各番組がそれぞれ思い思いの楽曲をセレクトした証拠だろう。本人のコメント出演も多数番組で確認され、さらには「サーフ天国 スキー天国」(160位)、「やさしさに包まれたなら」(179位)といった過去曲もチャートイン。ユーミンの声を多く耳にした一週間であった。

 また、RADWIMPSのトリビュートアルバム『Dear Jubilee -RADWIMPS TRIBUTE-』からも計8曲がチャートインし、Vaundyによる最大ヒット曲のカバー「前前前世」が最高位24位へと浮上した。

 この他、YOASOBI「会心の一撃」(71位)、米津 玄師「トレモロ」(80位)、SEKAI NO OWARI「最大公約数」(94位)、iri「ふたりごと」(121位)、My Hair is Bad「いいんですか?」(121位)、宮本 浩次「おしゃかしゃま」(145位)、ヨルシカ「DARMA GRAND PRIX」(179位)が圏内入り。錚々たる参加メンバーによる各曲それぞれがオンエアを集めたのは必然だろう。一方で本家の最新曲「賜物」も133位に再登場するなど、RADWIMPSへの注目度も高かった。

 なお、ザ・ビートルズの『アンソロジー・コレクション』『アンソロジー4』も今週リリースされ、多数の番組が特集を組んだ結果、同作より「フリー・アズ・ア・バード」が総合4位かつ、洋楽チャートでは下位にダブルスコア以上の1位を獲得。「イン・マイ・ライフ」も104位にチャートインした。


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 2025年11月26日発表のラジオ・オンエア・チャート(集計期間:2025年11月17日~11月23日 プランテック調べ)では、星野 源「いきどまり」が1位を獲得した。

 映画『平場の月』主題歌として書き下ろされた同曲は、一部での“ラジオエディット・バージョン”の先行オンエア解禁を経て、11月14日の配信リリースとともに広くオンエアが開始されると、前週チャートで23位に初登場。早速リクエストも集めつつオンエアは伸長していき、前週比651%増、調査対象の90.3%のステーションでオンエアを獲得し首位へと上り詰めた。

 圧倒的なオンエア数ながら、帯放送枠のみならず全国様々な番組でオンエアを獲得している点、そして上位10曲ではダントツでリクエストオンエアが最多だった点も特筆すべきだろう。文句なしに今週最も広く注目された楽曲となった。

 2位はINI「Present」が前週79位から急浮上した。LAPONE発の日本の11人組ボーイズグループ初のウィンターソングとなる同曲。11月7日の配信リリース日に放送された冠番組『From INI』(JFN系列)を皮切りにオンエアが開始されると、同週11/3~11/9チャートで86位に初登場。その後は他番組へオンエア波及しつつ、今週、同曲をリード曲として収録したニューシングル『THE WINTER MAGIC』のリリース週を迎え、前週比1200%増、調査対象局の71%でのオンエア獲得と大きく急伸した。

 帯放送のコーナー/番組といった限定的な固定枠でまとまったオンエアを積み上げた形だが、発売週とあり『ディア・フレンズ』『JA全農 COUNTDOWN JAPAN』といったJFN系列の長寿番組へのゲスト出演も確認され、広くリスナーに印象付けたことと思われる。

 3位は松任谷 由実「天までとどけ」が前週51位から急上昇した。ドラマ『小さい頃は、神様がいて』主題歌に書き下ろされた同曲は、先行配信の翌日10月17日放送の冠番組『Yuming Chord』(JFN系列)でオンエアが開始されると、同週10/13~10/19チャートで143位に初登場し、その翌週131位へ浮上。その後、圏外での2週経て前週チャートで再登場すると、今週、収録アルバム『Wormhole / Yumi AraI』の発売週を迎えたことで大きく伸長した。

 帯放送枠でのまとまったオンエアを基盤に、調査対象の83.9%となる広い範囲でのオンエア獲得だ。後述する他のアルバム収録曲にも多数オンエアが集まるなど、さすがの注目度となった。


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 若き日のブルース・スプリングスティーンが名盤『ネブラスカ』(1982年)を誕生させる過程を描いた映画『スプリングスティーン 孤独のハイウェイ』が、11月14日に日本公開され関連楽曲のオンエアが伸長。4曲が今週のチャートTOP200圏内入りを果たした。

 アルバム『ネブラスカ』制作時に原曲が生まれた「ボーン・イン・ザ U.S.A.」は総合61位、洋楽チャート11位へと浮上。劇中でも印象的に流れる同曲のオンエアが一番伸びたことは必然だろう。

 これに続き174位に登場した「アトランティック・シティ」は『ネブラスカ』収録曲。同じく174位の「ハングリー・ハート」は、『ネブラスカ』の前作『ザ・リバー』からの曲で、こちらはそのタイトルが劇中で印象的に登場する。同じく代表曲のひとつ「明日なき暴走」が198位へ浮上した。

 なお、映画では主演のジェレミー・アレン・ホワイトが歌ったテイクが使用されており、サントラが12月5日に発売される。こちらも既に複数オンエアがあり、その歌唱力が高く評価されているジェレミーによるバージョンも今後オンエアを伸ばしそうだ。


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 2025年11月19日発表のラジオ・オンエア・チャート(集計期間:2025年11月10日~11月16日 プランテック調べ)では、YEONJUN「Talk to You」が1位を獲得した。

 TOMORROW X TOGETHERのYEONJUNによる11月10日リリースの1stミニアルバム『NO LABELS:PART 01』に収録された同曲。7日の先行配信とともに一部で開始されたオンエアは、今週に入るとFMを中心に一気に加熱し、一週間を通じて調査対象の61.3%となるステーションで獲得。初登場首位を飾った。

 帯放送のコーナー/番組など、各局決まった時間帯で積み上げられた大量オンエアながら、そうでない番組でのリクエストオンエアも少数ながら確認されている。さらなるオンエア範囲拡大に期待したい。

 2位はJISOO & ゼイン「EYES CLOSED」が前週9位から浮上した。それぞれBLACKPINKと元ワン・ダイレクションのメンバーによる大型コラボとなる同曲。10月10日のリリースとともにオンエアが開始されると、翌週10/13~10/19チャートで58位に初登場。その後も順調に伸長していき、チャートイン5週目となる今週、前週比161%のオンエア増となった。

 FM FUJI、FM Osaka、cross fmなどで11月度の月間パワープレイに選出されたことがオンエア伸長の要因ながら、調査対象局の83.9%と広範囲でのオンエア獲得は特筆すべきだろう。同じくBLACKPINKメンバーによる大型コラボ曲で昨年大ヒットした、ロゼ & ブルーノ・マーズ「APT.」(-位→65位)も今週3週ぶりにチャートイン。長期的なオンエア獲得でこれに続くロングヒット曲となるか注目だ。

 3位はGen Kakon「Boy, Don't Cry」が前週ポジションを死守した。東京を拠点に活動する新鋭シンガーソングライターが10月22日に配信リリースした同曲。月間パワープレイに選出中のFM NACK5、FM FUJI、FM Osaka、α-STATION、e-radio、FM NORTH WAVE、Date fm、FM-NIIGATA、東海ラジオを中心に、今週も調査対象の41.9%となるステーションでオンエアを獲得した。

 挟範囲での大量オンエアながら、YouTubeのコメント欄には今週も“ラジオで知った”ユーザーによる書き込みが大量に追加されている。それだけ求心力のある楽曲ということだろう、さらに広範囲でのオンエア獲得により大きな訴求効果を見込めそうだ。


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 季節外れの暑さが落ち着いたかと思えば、例年の気温を下回る寒さが到来した今週、各局・番組での選曲も大きく舵を切り、冬の訪れを感じさせる曲のオンエアが伸長。チャートにも影響が見られ始めた。

 関連曲で最もオンエアが伸びた槇原 敬之「冬がはじまるよ」は、圏外からいっきに31位へと浮上。その名のごとく明瞭なタイトルと歌詞の名曲は、例年と同時期に今年もオンエアが再伸し始めたかっこうだ。

 これに続いたのは小泉 今日子「木枯しに抱かれて」(153位→68位)だ。こちらは一足早く前々週10/20~10/26チャートで143位に再登場し、今週大きく急伸した。

 ザ・おめでたズ、思い出野郎Aチーム「鍋でもやろう」(-位→133位)は11月7日リリースの新曲で、そのタイトルもオンエアを助長したことと推測される。同じく2022年リリースの水曜日のカンパネラ「鍋奉行」(-位→163位)もしかりだ。

 また、過ぎ去りし感のある“秋”ソングではあるものの、原 由子「いちょう並木のセレナーデ」(-位→163位)、ビッケブランカ「秋の香り」(-位→187位)は、ネット番組(ネットワーク局)でのオンエアによりTOP200圏内入りを果たした。

 これからの季節に欠かせないシーズナリーソングも、チャート圏外ながら既にオンエアは伸び始めている。いくつになっても胸が躍る煌びやかな冬の名曲たち。次週以降、耳にする機会は更に増えるだろう。


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 2025年11月12日発表のラジオ・オンエア・チャート(集計期間:2025年11月3日~11月9日 プランテック調べ)では、山下 達郎「MOVE ON」が1位を獲得した。

 11月5日リリースのダブルA面シングル『オノマトペISLAND/MOVE ON』より、ダイハツ“MOVE(ムーヴ)”CMソングとして6月初旬よりテレビ放映中の同曲。大きく先行して10月12日放送の番組『山下達郎の楽天カード サンデー・ソングブック』(JFN系列)での初フルオンエアを経て、翌13日より他番組・局でも解禁されると同週10/13~10/19チャートで21位に初登場。その後も多数オンエアを維持しながらチャートイン4週目を迎えた今週、前週比684%のオンエア増で首位へと上り詰めた。

 シングルリリース週とあり急伸したかっこうながら、調査対象全てのステーションで獲得するに至ったオンエアの総数は、下位のおよそ2.7倍以上という圧勝だ。また、こちらも9月4日の配信リリースに先がけラジオ先行解禁され、9月1日~9月7日チャートで1位を獲得した「オノマトペISLAND」も、今週94位へと再浮上し同時チャートインしている。長期的かつ戦略的な大量オンエアが奏功し、セールスも絶好調の様子だ。

 2位はEve「アイオライト」が初登場した。テレビアニメ『ポケットモンスター』新章「ライジングアゲイン」オープニングテーマとなる同曲。デジタルリリース日の翌日11月1日より少しずつ確認され始めたオンエアは、今週に入ると大きく急伸。調査対象の54.8%となるステーションでのオンエア獲得となった。

 総数の4割近くを九州エリアでのオンエアが占める一方、関東エリアでのオンエア数は全体の2%に留まるなど、偏在しているのが気になるところ。次週以降、オンエア獲得範囲を広げられるか注目だ。

 3位はGen Kakon「Boy, Don't Cry」が前週24位から浮上した。東京を拠点に活動するシンガーソングライターによる“2025年インディーズ活動の集大成「3部作」”から第2弾となる同曲。10月22日の配信リリースとともにFMを中心にオンエアが開始されつつ、11月に入ると多数局が月間パワープレイに選出したことで前週チャートに初登場。今週は調査対象の41.9%のステーションでのオンエア獲得によりTOP3入りを果たした。

 パワープレイ選出局のうち特にFM Osaka、東海ラジオ、FM-NIIGATAは猛プッシュしており、オンエア総数のおよそ半数を同3局が占めるなど局地的な大量オンエアだ。しかしながら、YouTubeのMVコメント欄を見ると“ラジオで聞いて知った”新規ユーザーの書き込みに溢れていることから、訴求効果を発揮していることが分かる。オンエア獲得範囲を広げることで新規ファンの更なる獲得が大いに期待できそうだ。


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